運動不足解消は「ストレッチ」から始めましょう

カラダにいいチョイス

運動を始めるというと、ウォーキングやジョギング、筋トレなどを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、最初はストレッチがおすすめです。
今回は運動不足解消のスタートとして、簡単でとり入れやすいストレッチをご紹介いたします。

運動不足解消は「ストレッチ」から始めましょう

運動不足や体力低下の解消にストレッチが効く5つの理由

スポーツ選手は毎日欠かさず行うストレッチですが、スポーツ時だけでなく、体のコンディションを整える様々な効果が期待できます。

1.柔軟性が高まる

筋肉は年齢と共に硬くなると思いがちですが、実際は年齢に関係なく、使わなければどんどん硬くなってしまいます。
ストレッチで意識して筋肉を伸ばしてあげることで柔軟性を高めることができます。

2.体のコンディションを整える

ストレッチをすると体がぽかぽかと温まるように、筋肉を伸ばすことで血液循環がよくなり、コリや冷え性の予防・改善効果が期待できます。
また、ストレッチによって体のコンディションが整えば、ウォーキングや筋トレなどの運動を快適に行うためのカラダづくりにもつながります。

3.心のコンディションを整える

ストレッチはとても気分も上向く、気持ちのよい運動です。呼吸を意識して、筋肉をゆっくり伸ばすことで、体をリラックスさせる副交感神経が働きやすくなり、心拍数が下がり気分が落ち着くことが知られています。寝る前にストレッチを行えば、快眠効果も期待できます。

4.姿勢を整える

普段、デスクワーク中心の方や、同じ姿勢で仕事をする機会の多い方は、首の後ろの筋肉と胸の筋肉が硬くなることで、背中が丸まって首が前に出た猫背姿勢になりがち。
ストレッチをすることで、筋肉の柔軟性が高まれば、骨が本来の位置に戻り、姿勢を整えることにつながります。

5.ケガ予防

ストレッチによって、筋肉の柔軟性が高まれば、関節の動く範囲も広がり、体の動きがスムーズになるのでスポーツ時のケガ予防につながります。

運動不足解消にはまずこのストレッチから始めましょう!

ストレッチが効果的なのは分かるけど、どこから始めたらよいのか、全身やるのは時間がかかるし・・・と戸惑う人もいるのでは。まずは、大きな筋肉やよく使う部分を中心に、6つのストレッチから始めてみましょう!

1.背中のストレッチ

・足を肩幅に開いて立ち、胸の前で手を組む
・膝を軽く曲げ、背中を丸めてひじを伸ばしていく

ポイント大きなボールをまん中に抱え込むイメージで行うと背中がよく伸びます

2.肩、胸のストレッチ

・手を腰の後ろあたりで組む
・ひじを伸ばし、肩を引いて胸を張り、組んだ手を少し上に上げたところで伸ばす

ポイント背中が丸まらないように胸を張りましょう

3.お尻下部のストレッチ

・床に座り、膝を軽く曲げ、裏側を両手で抱える
・手を離さずに、背すじをまっすぐに伸ばす(できるだけ胸を張る)
・お腹を太ももに近づけるイメージで上半身を前に倒す

ポイント背中が丸まらないように、股関節から曲げるイメージで行いましょう

4.お尻上部のストレッチ

・膝を曲げて座り、右足のすねのあたりを左足の膝にのせる
・のせた右足を両手で持ち、できるだけ胸を張り、背すじをまっすぐに伸ばす
・胸を張ったまま、上半身を膝に近づける
・反対の足も同様に行う

ポイント背中が丸まらないように行いましょう

5.体幹のインナーマッスル(腸腰筋:ちょうようきん)のストレッチ

・うつぶせに寝て片足を横に外す
・手で床を押しながら、上半身を起こしてキープする(背すじをまっすぐに伸ばす)
・反対側も同様に行う
※腰に痛みがある時は無理してやらないように、また片足ずつ曲げると辛い場合は、足を横に出さずに上半身を起こすだけにします

ポイント腰が浮かないように注意しましょう

6.太もも前側のストレッチ

・横になって寝転び、片膝を曲げてつま先を持つ
・反対の手は前に伸ばして体を支える
・つま先を引っ張り、膝を後ろに引いてキープする
(両膝が開かないように気を付ける)
・反対側も同様に行う

ポイント曲げた方の足の足首を持つとあまり伸びないため、つま先を持つようにしましょう

気を付けよう!ストレッチの5つの原則

◎時間は最低20秒

最初の5~10秒は、筋肉や関節が伸びるための準備期間。そこからさらに時間をかけて伸ばすことで効果につながります。

◎正しいフォームで伸ばす筋肉を意識

どの筋肉を伸ばしているのかを意識しながら正しいフォームで行いましょう。

◎痛くなく気持ちよい程度に伸ばす

「痛い」と感じると、反射で筋肉が硬直してしまうため、気持ちよいと感じる程度に伸ばします。

◎呼吸を止めない

つい力が入って呼吸を止めがちですが、血圧が上がることもあるためNGです。
息を吸って吐きながら伸ばし、無理のない呼吸を続けます。
イチ、ニー、サンなど数を数えながら行うのもおすすめです。

◎目的に合わせて部位を選ぶ

全身のストレッチをくまなく行うと時間がかかってしまい、継続が難しくなります。
肩こりや腰痛の解消、足の疲れをとるなど、目的に合わせて行う部位を決めましょう。

まとめ

筋トレと違って毎日行ってもOKなストレッチ。
お風呂あがりや朝起きてすぐなど時間帯を決めて行うとよいですね。
まずは、ストレッチで体のコンディションを整えて、動きやすい体を目指しましょう!

【参照文献】
ストレッチ・メソッド  谷本道哉・石井直方著

e-ヘルスネット ストレッチングの実際
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-04-007